スポーツ業界で話題!低酸素環境下でのトレーニング効果に迫る

先日行われた箱根駅伝では、見事青山学院大学が4連覇を達成しました。

箱根路を颯爽と駆けるランナーたちの姿から、感動をもらった人も多いのではないのでしょうか?

そんな彼らの走りを見ていると、みなスラリとした美しい体形をしていることが分かります。

このような体形は、長い距離を走って身につくものですが、彼らのように長時間の運動を行うだけのスタミナを誰しもが持っているわけではありません。

しかし、そんな私たちでも彼らのような美しい身体を手に入れるために有効なトレーニング法があります。

それが、低酸素環境で行う運動です。

これにより、運動能力を向上させるだけでなく、ダイエットも効率的に行うことができます。

今回は、そんな低酸素運動がもたらす効果について解説していきます。

低酸素環境を確保する!

低酸素環境は、なかなか馴染みがないものだと思います。

普段運動をしていても、「なんか空気が薄いな・・・」といった感情が起こるはずもありません。

しかし、高い山の山頂付近では、はっきりと空気が薄いことを感じることができるのではないでしょうか?

実際、標高1500m付近では、海抜0m付近の83%の酸素濃度であり、日本一高い富士山の山頂の酸素濃度は、地上の63%程度だと言われています。

自然の中で低酸素の環境を見つけてトレーニングを行おうと思ったら、少し高い山に登ってトレーニングを行うのが最も手っ取り早いと言えるでしょう。

実際、多くのアスリートが低酸素環境を求めて高地トレーニングを実施しているため、近年ではそういったニーズに応える施設も充実してきています。

興味があれば、一度訪れてみるのも良いかもしれませんね!

また、このような施設のほかにも、低酸素環境を人工的に作り出すことのできるスポーツジムも増えてきています。

科学の力を駆使して効率の良いトレーニングが実施できるため、こちらもぜひ利用を検討してみましょう。

「mountain」の画像検索結果

生理学的なメリットは?

では、実際に低酸素環境下でのトレーニングがどのような効果を私たちにもたらしてくれるのか考えていきましょう。

この点に関しては、陸上の長距離選手が目的としている項目が一般化しやすいため、今回は例として挙げていきます。

生理学的な観点からの理解を深めて、正しい知識を身に着けていきましょう!

①毛細血管の発達

低酸素環境にいても、人間の身体は平地と変わらない量の酸素を必要としています。

いつも通り呼吸をして体内に酸素を取り込もうとするのですが、いかんせん絶対量が少ない環境で運動をしているため、効率良く体内で酸素を運搬しなくてはいけません。

そのため、血液を送り出す心臓が強く拍動することにより、1回の拍動でより多くの血液が隅々まで行き渡るようになります。

結果として、末梢まで回ってくる血液を運搬する毛細血管が太くなり、活動が促進されるのです。

毛細血管が太くなると、栄養が隅々まで行き届くようになるため、トレーニング後の回復効率が上がるメリットがあります。

十分な回復もトレーニングには欠かせないことなので、恩恵を得やすい身体へと変えることが重要なのです。

②赤血球数の増加

低酸素環境下では体内が酸素不足状態になりやすいため、酸素の運搬に携わる赤血球の量が増加します。

酸素はエネルギー産生の重要な要素であるため、筋への運搬が増えることで発揮できるエネルギーが増加し、力強い動きが可能になるのです。

陸上の長距離選手がスタミナアップのための指標として赤血球数を用いることからも分かるように、スタミナアップを図りたい方にはもってこいの運動環境だと言えるでしょう。

③ミトコンドリアの働きの促進

赤血球が酸素不足の状態で増えるように、代謝に関わる細胞小器官であるミトコンドリアにも影響を及ぼします。

エネルギー源であるATPを少ない酸素でいつも通り賄わなくてはいけないため、酸素利用の能力が高くなるのです。

また、ミトコンドリアの数自体も増えるため、体内の酸素利用の能力は量的にも、質的にも向上することになります。

これらの機能の改善によっても、持久力が高まるのです。

④血中乳酸生成の抑制

乳酸は、無酸素性エネルギー産生機構である「解糖系」の過程で産生されます。

乳酸自体はエネルギー源とならないため、再び糖へと変換する必要があるのですが、その際に乳酸を運搬する乳酸トランスポーター(MCT)というたんぱく質の働きが重要です。

低酸素環境下では、速やかなエネルギー産生が重要であるため、この乳酸トランスポーターの働きが促進されることが分かっています。

エネルギーを効率よく生み出すための態勢が整えられるのです。

「running」の画像検索結果

エネルギーの利用が増える!

ここまで、生理学的な側面から低酸素環境下でのトレーニングのメリットをまとめてきました。

陸上・長距離選手のトレーニングから考えているので、少し複雑に感じられる点もあったかもしれません。

しかし、簡潔にまとめると次のように言うことができます。

「低酸素環境では、エネルギーの利用が増える!」

私たちの身体を動かすためには、エネルギーを生み出さなくてはいけませんが、その際には2種類の方法があります。

1つは、酸素を使わずに体内のクレアチンリン酸や糖を利用する方法、そしてもう1つが酸素を利用する方法です。

そして、長時間の運動が求められる場合には、酸素を利用してエネルギーを生み出す割合が高くなります。

低酸素環境に身を置くと、通常よりも利用できる酸素の量が少ないため、その分人間の代謝機構は活発に働くようになります。

車に例えるならば、燃費が悪い状態になるのです。

そのため、通常の環境と同強度の運動を行った場合よりも、より多くのカロリーを消費することになります。

これが、低酸素ダイエットが有効であると言われている所以なのです!

「running 」の画像検索結果

他にもある嬉しい効果!

低酸素環境下での運動は、持久力向上やダイエット効果だけではありません。

先ほども挙げた赤血球が増えることにより、血色がよくなるため明るい印象を与える顔つきになります。

また、貧血の改善にも効果があることも分かっています。

それだけではありません。

細胞の働きの活性化により体内での熱産生が高まり、冷え性の改善にも効果があることも報告されています。

また、同様の作用で美肌効果も期待できるため、特に女性は必見ですね!

 

このように、目的に応じて様々な効果をもたらしてくれるのも魅力の1つです。

自分のトレーニングプログラムにマッチしているか、検討してみましょう!

気を付けるべき点

低酸素ダイエットのメカニズムが分かったところで、ここからは注意点について述べていきます。

このダイエット法・トレーニングについては科学的にも信頼できるデータが比較的揃っていますが、その分身体へのリスクも大きいものであることはあまり浸透していません。

有効に活用していくためにも、リスクを知ることをきちんと行っていきましょう。

エネルギー消費が大きい=???

繰り返し述べていますが、エネルギー消費が通常時よりも増えることが低酸素環境の特色です。

つまり、言い換えるならば、通常よりも疲れやすいということになります。

これはかなり重要な見方で、いつも通りのトレーニング強度を設定してしまうと、オーバートレーニングとなって効果が半減するどころか、かえって体調を悪化させるなどの悪影響まで現れてしまう危険性も孕んでいます。

トレーニングに取り組む際は、まずは通常時の7割ほどの強度を目安にして、そこから徐々に強度を上げていくようにしましょう。

また、気を付けたいのが脱水症状です。

酸素を用いたエネルギー産生では、代謝の過程で水が生成されます。

いつもよりも大量の水が生成されて体外へと放出されていくので、こまめに水分補給を行うなどして、脱水症状の予防に努めましょう。

同時に、ミネラル分を多く含んだサプリメントなども摂取すると、体内環境の整備を効率よく行うことができます。

近年の研究では、低酸素環境下でのトレーニングを行った後に緑の野菜に多く含まれる硝酸塩を摂取することで、筋繊維組成に変化が見られる可能性が報告されており、栄養摂取の重要性も無視できません。

痩せたいからという理由で栄養補給を怠るのではなく、きちんと身体のためになる糖質やタンパク質、ミネラルは補給するようにしましょう!

 

やりすぎは逆効果!

トレーニングに熱が入り、長期間の間低酸素環境でのトレーニングに励むのは、あまり好ましくない可能性も示唆されています。

毎日のように低酸素環境に身を置くことで、血液成分が増加しますが、その分血液の粘性が高くなり循環器系の働きに影響を及ぼすと言われているのです。

また、低酸素環境への順化が進んでくるため、得られる効果が徐々に減ってくることも考えられます。

トレーニングの原則として、トレーニング内容に変化を加えていくことで得られる効果を増すことができます。

全てのトレーニングを低酸素環境で行うのではなく、通常のトレーニングの中にアクセントを加える形で盛り込んでいく方が高い効果を得ることができるのです。

「running 」の画像検索結果

 まだまだ研究段階の分野

低酸素環境下での運動については、研究が進んでいますがまだまだ解明されていないことも多いです。

例えば、長期の低酸素環境での運動を続けると最大酸素摂取量が低下するという報告がありますが、その詳しい理由は今だ研究中であり、心拍出量との関連が示唆されています。

スポーツ現場には多く用いられている手法ですか、運動初心者に適したトレーニングなのかも疑われている部分です。

身体への負荷が高すぎるため、高血圧や動脈硬化を抱えている方は特に導入には慎重になりましょう。

スポーツジムなどでも、専門のトレーナーの支持を仰ぎ、強度の設定は適切に行います。

その他にも、体調に異変を感じたらすぐにトレーニングを中止する勇気も必要です。

このように、実施する際は様々なことに気を配る必要があるため、いきなり特殊な環境に身を置くよりは、まずは基礎体力を上げることから始めましょう。

継続した運動習慣を身に着けることが先決です。

「running」の画像検索結果

施設の充実が進む!

今回は、低酸素環境下でのトレーニングについて述べてきました。

まだまだこれからの分野であり、現在も数多くの研究が進んでいます。

それと同時に、ニーズに応じた施設の設置も全国各地で広がっています。

高地でのトレーニング施設としては、持久系のスポーツ種目に取り組む選手の強化を目的として、クロスカントリーコースを完備し、栄養士の管理のもとに充実した食事を提供する合宿所のような形態をとる施設がブームです。

大自然の中でのトレーニングが可能であり気持ちも新鮮な状態で取り組めるため、フルマラソンで結果を残したい熟練者にはもってこいの環境だと言えるでしょう。

都心部に住んでおり、なかなか遠出する時間が取れない方は、スポーツジムがおすすめです。

値段は少々高めの設定の場所が多いですが、低酸素状態を作り出す機械を完備しているジムも増えており、人気はうなぎのぼりです。

メディアでも多く取り上げられており、これからますます利用者が増えることが予想されています。

正しい知識を身に着けて、美しい身体を目指していきましょう!

PAGE TOP