無酸素運動はダイエットに有効!?有酸素運動とは全く違った特性をご紹介!

近年のランニングブームで、たくさんの市民ランナーが沿道を走る姿はすっかりおなじみになりました。

その目的はそれぞれだと思われますが、次のような願望を持って走るランナーはかなり多いのではないのでしょうか?

「痩せたい!かっこいい身体を手に入れたい!」

確かに、ランニングなどの有酸素運動はダイエットに効果があり、今では認知度も広まっています。

しかしその一方で、ダイエットを語る際に、無酸素運動については多くを触れられてはきませんでした。

そこで今回は、無酸素運動がダイエットに対してどのような効果を発揮するのかに焦点を当てて、解説を行っていきます。

さらに、近年耳にすることが多くなった低酸素トレーニングと無酸素トレーニングの概要にも触れ、その効果に迫ります。

無酸素運動≒息をしない運動

「無酸素運動」という文字を見て、上記のような誤解をしている人は多いのではないのでしょうか?

例えば、無酸素運動の例としてよく取り上げられる100m走。

世界のトップスプリンターたちは瞬く間にゴールへと走りぬけていきますが、そんな彼らも走っているときはちゃんと呼吸をしています。

無酸素運動とは、エネルギー産生機構の種類のことであり、息を止めて運動することではないのです。

 

無酸素運動のエネルギー産生機構には、非乳酸系のATP-CP系と、乳酸系の解糖系の2種類が存在します。

ATP-CP系は最も大きなエネルギーを生み出すことができる系統で、体内に貯蔵されているクレアチンリン酸を分解することによってエネルギーを生み出します。

しかし、大きなエネルギーを生み出せる分、その持続時間は短く、この系統のみでの最大の運動強度ではわずか8秒程度しかエネルギー産生を行うことができません。

対して、解糖系は体内のグリコーゲンを分解しエネルギーを生み出すエネルギー産生機構です。

この系統だと、最大強度で約30秒程度エネルギー産生を行うことができます。

また解糖系の場合は、グルコースが分解される際にピルビン酸という物質が生成されるのですが、これは運動強度が低い場合にはアセチルCoAとなり、有酸素系のエネルギー産生機構で利用されることになります。

ATP-CP系と解糖系、いずれのエネルギー産生機構も、体内で酸素を用いることなくエネルギーを生み出すことができるため、この2つの系統が無酸素運動と呼ばれているのです。

 

無酸素運動はダイエットに向いているのか?

では、この無酸素運動、ダイエットには向いているのでしょうか?

有酸素運動に比べてあまり浸透していないため、もしかすると効果は薄いのかもしれません。

果たしてその結果は…

「無酸素運動は…ダイエットに向いていません!」

 

…何と、衝撃の結果が待っていました。

無酸素運動とダイエットの関係を述べた記事で、あってはならない一文が登場してしまう事態。

ダイエットの手段の幅が一気に狭まってしまうかもしれません。

しかし、諦めてしまうのにはまだ早い。

この言葉には次のような注釈が入ります。

「無酸素運動は…(直接的には)ダイエットに向いていません!」

つまり、無酸素運動は間接的にダイエットに貢献してくれるのです。

では、無酸素運動によって、私たちの身体はどのような恩恵を受けることになるのでしょうか?

①基礎代謝の向上

無酸素運動の代表例として、筋力トレーニングがあります。

この筋力トレーニング、実は減量に一役買っているのです。

ポイントとなるのが成長ホルモンで、筋力トレーニング等を行って約15分後あたりから分泌されるようになります。

この成長ホルモンが筋肉に作用して、筋量が増加し、結果として基礎代謝が向上して消費カロリーが増加するのです。

運動時のカロリー消費も重要ですが、安静時に消費できるカロリーを増やせば、さらに減量が楽になります。

常に燃やし続ける身体を作るためにも、筋力のアップは必要不可欠なのです。

②脂肪燃焼の促進

脂肪燃焼の促進は、先ほど述べた「無酸素運動はダイエットに向いていない!」という言葉と一見矛盾しているように感じられます。

それもそのはず、本来脂肪を燃焼するのは有酸素系の運動であり、無酸素系の運動ではそのエネルギー消費過程に脂肪は登場しません。

しかし、無酸素運動も脂肪の燃焼に貢献することができます。

その方法は、ジョギングなどの有酸素運動に取り組む前に、筋力トレーニングなどの無酸素運動に取り組むことです。

「①基礎代謝の向上」の項でも触れましたが、筋力トレーニング後には成長ホルモンが分泌されます。

成長ホルモンは基礎代謝を向上させるだけではなく、有酸素運動による脂肪燃焼を促進する効果があることが分かっているのです。

その効果はかなりのもので、2008年から行われている研究では、筋力トレーニング後の「15分間のジョギング」は、有酸素運動直前に安静状態だった場合の約7倍、「30分間の自転車運動」は約4倍の脂肪燃焼効果が発揮されることが分かっています。

「無酸素運動+有酸素運動」は、見事な相性を誇るトレーニング方法だったのです。

美しいボディのために!キーワードは「見せ筋」と「RM法」

さて、無酸素運動とダイエットの関連について述べてきましたが、ここで少し視点を変えてみましょう。

ダイエット中の人々が抱く願望、その多くは「かっこいい身体を手に入れる」ことが占めていると予想されます。

では、かっこいい身体とは、具体的にはどのような身体のことを言うのでしょうか?

人それぞれで多少の違いはあると思われますが、映画やドラマに登場する俳優・女優や、ランウェイの上を華麗に歩くモデルのような体型が多くの人の憧れです。

彼らの特徴として、男性の場合は、発達した胸筋・僧帽筋に割れた腹筋、女性の場合は引き締まった二の腕と美しいお腹周りのくびれが目立ちます。

これらの筋肉、いわば人に見える表層部分の筋肉で、俗に言う「見せ筋」です。

この見せ筋を効果的に鍛えるのに、無酸素運動はうってつけなのです。

 

ここでは、ウエイトトレーニングを例に挙げてみましょう。

バーベルやダンベル・マシンを用いて取り組むウエイトトレーニングですが、その特性として、負荷を変えることで鍛える能力をコントロールできることがあります。

そして、自分の鍛えたい能力と適切な負荷を知るためには、「RM法」を用いて重さと回数を決定していくことが大切です。

RM法は、レペテイション・マキシマム(repetition maximum)の略で、ある決まった重さに対して何回反復して関節運動を行うことができるかによって運動強度を決める方法です。

1回が限界の負荷を「1RM」、5回繰り返すことができる負荷を「5RM」と表します。

一流スポーツ選手もトレーニングの指標としているRM法ですが、もちろん私たちも正しく利用することができれば、美しいボディの獲得に効果的です。

負荷重量と最高反復回数およびその主な効果

強度(%) 最大筋力に対する割合 RM(最大反復回数) 期待できる能力の向上・効果
100 1 集中力(神経系)・筋力
95 2
93 3
90 4 集中力・筋肥大・筋力
87 5 筋肥大・筋力
85 6
80 8
77 9
75 10-12
70 12-15 筋肥大・筋力・筋持久力
67 15-18 筋持久力
65 18-20
60 20-25
50 30-

 

上に挙げた表が、運動強度に対して期待できる能力の向上をまとめたものです。

「集中力」「筋肥大」「筋力」「筋持久力」の4つのワードが登場しましたが、美しい見せ筋を作りたいのなら、「筋肥大」に着目してトレーニングを行うのが良いでしょう。

その他の能力ももちろん必要ですが、どちらかといえばスポーツ場面で使うための能力であり、一般向けではなく優先順位は高いとは言えません。

それに、筋肥大をさせてあげることで基礎代謝も上がるので、ボディメイクを目的としてウエイトトレーニングを行う場合は、まずは筋肥大に取り組むと一石二鳥です。

自重トレーニングも交えながら、具体的な基本メニューをいくつか紹介していきましょう。

 

基本的なトレーニングメニュー3選!

ボディメイクを行っていく際は、肩周りの筋肉・僧帽筋三角筋、胸の筋肉・大胸筋、背中の筋肉・広背筋、そしてお腹の表層部の筋肉・腹斜筋を鍛える意識を持ちましょう。

上半身全体のバランスを考えて、まんべんなく取り組むことが大切です。

回数は、ウエイトトレーニングの場合は、筋肥大に効果があり指標としやすい10回を目安にします。

その日の体調や習熟度によって、多少の変更は行ってもかまいません。

○僧帽筋・三角筋・広背筋 ベントオーバーローイング

バーベルを用いた、肩周りや背中を鍛える基本となるトレーニングです。

背筋を真っすぐにして両腕を伸ばしたまま床のバーベルを肩幅より少し広めの位置でつかみ、膝を這うように真っすぐと腹筋上部へと持ち上げていきます。

背筋が丸まったまま行うと、背骨へと負担がかかりケガの危険性も高まるので、必ず真っすぐな姿勢を保つようにしましょう。

 

○大胸筋 ベンチプレス

これもバーベルを用いた胸を鍛える基本となるトレーニングです。

バーベルのみで行うフリーが基本ですが、初心者はサポートがついたバーベルマシンがある場合はそちらを利用することをおすすめします。

トレーニング前の準備として、セットするバーベルラックを、背中が隙間なくベンチについた状態で腕を軽く曲げたポジションでもバーベルを掴める位置に調節しておこましょう。

準備ができたら、ベンチの上に仰向けになってセットされているバーベルの下に位置を取り、肩幅より少し広く取ってバーベルをつかみます。

その際、背中・足裏・お尻が浮かないように気をつけましょう。

バーベルをラックから外し、大胸筋を意識しながら地面と水平になるように真っすぐと胸へと降ろしていきます。

バーベルをスタートポジションへと押し上げる際も大胸筋を常に意識するのがポイントです。

 

 

○腹斜筋 サイドクランチ

腹斜筋を引き締めるための、基本的な自重トレーニングです。

胴体を真っすぐにして床に横になり膝を軽く曲げます。

この時、上の手を頭、下の手を腹筋に添えることで、より鍛える部位を意識することができます。

スタートの形ができたら、状態をできるだけ高い位置へと持ってくるように上げていきます。

その際、状態が前後にぶれないように心がけましょう。

左右均等に鍛えることで、腹筋が引き締まりくびれを生み出すことができるため、女性におすすめのメニューとなっています。

慣れてきたら、多様なバリエーションを加えることも可能です。

 

目指す身体によって追加すべきメニューも多くありますが、上に挙げたものが基本となります。

まずは正しい形を身に着けて、応用へと移していけるようにしましょう。

全体のバランスを考えて、偏りが生じないようにすることが何よりも重要です。

日本でも話題に 低酸素トレーニングとは?

最後に、日本でも少しずつ浸透してきた低酸素トレーニングについて簡単に説明をします。

無酸素トレーニングと言葉が似ていますが、方法と効果も全く異なっているので、正しい認識が重要です。

定義づけをするならば、低酸素トレーニングとは「日常生活時よりも酸素が薄い環境で行うトレーニング」のことを言います。

陸上の長距離のトップアスリートや強豪校などは、大切なレース前や長期の鍛錬期に標高が高い場所で合宿を行いますが、典型的な低酸素トレーニングといえるでしょう。

彼らが狙いとしているのは持久力の向上で、実際に低酸素下でのトレーニングにより、酸素運搬に欠かせない赤血球・ヘモグロビンの増加やミトコンドリアの活動の活性化、骨格筋の毛細血管の発達等、持久系能力の向上が数多く確認されています。

先日行われた出雲駅伝で10年ぶりに優勝した東海大学も低酸素トレーニングを積極的に取り入れており、大学内の充実した施設でも高地の環境を再現できる機材を揃えているというので驚きです。

 

ここまでの話の流れからも分かるように、低酸素トレーニングは主に有酸素トレーニングの一種として用いられている手法で、持久系の能力向上を狙いとしています。

無酸素トレーニングの持つ特性とは大幅に異なるため、同じものとして捉えていた場合には認識を改めましょう。

 

身体は筋繊維の集まり

今回は、無酸素運動・トレーニングを中心に解説を行ってきました。

ダイエットに取り組む際は消費カロリーだけに目が行きがちですが、これからは自分の筋肉にも向き合ってあげましょう。

究極のところ、身体を形作っているのは数多く存在する筋肉で、さらに言えば筋肉を構成している膨大な量の筋繊維です。

その1本1本を強く鍛えていく意識を持てば、自分の身体をより愛することができるのではないでしょうか?

有酸素運動と無酸素運動、両方を上手に織り交ぜながら、自慢のボディを作り上げていきましょう!

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