厚底シューズでより速いスピードを身に付けられる!ランニングシューズの最先端技術とは?

最近、ランニングシューズに革命が起きています。

今まで、速く走るためにはソールの薄く軽いシューズが好まれており、長距離ランナーはみな薄底シューズでレースを走っていました。

しかし、ナイキ社が厚底の「ズームフライシリーズ」を販売し始めてからその流れは大きく動きます。

箱根駅伝に出場したり、マラソンで上位に入賞する選手の多くが、この厚底のシューズを履き、好結果を残し始めたのです。

今までの当たり前が覆り、大きな衝撃が陸上界には走りました。

そして、それらの流れは波及して、市民ランナーにも厚底のランニングシューズを履く人が増えてきたのです。

そんな一大ブームを迎えている厚底のランニングシューズですが、実際のところ従来好まれていた薄底シューズと何が違うのかをいまいち理解できていない人も多いと思います。

そこで今回は、話題の厚底シューズはどのようなものなのかを解説していきます。

今まで何となくしか知らなかった厚底シューズの正体に迫りましょう。

ナイキ社の厚底シューズ

現在多くの人が愛用し始めている厚底シューズは、ナイキ社が開発、販売している「ズームフライ」シリーズや「ヴェイパーフライ」シリーズです。

その性能は素晴らしく(後で詳しく解説します)、正月に行われた箱根駅伝では、約6割の選手が使用していました。

特に、往路優勝を果たし総合成績でも3位に入った東洋大学の選手は、ナイキ社がスポンサーを務めていることもあり、ほとんどの選手が「ヴェイパーフライ4%」を履くなど、好まれています。

世界のマラソンランナーを見ても、厚底シューズは人気を博しています。

昨年9月に2時間1分39秒という驚異的なマラソンの世界記録を打ち立てたケニアのエリウド・キプチョゲ選手をはじめ、世界の大きなマラソンではほとんどの選手が同じ厚底シューズを履いており、その様子からもトップアスリートから愛されていることが分かるでしょう。

それだけ人気ということもあり、私たちが入手するのには困難を極めます。

入手しにくいヴェイパーフライ4%

まずは、その価格。

レーシングシューズである「ヴェイパーフライ4%」は一足なんと2万8020円。

通常のレーシングシューズだとおよそ1万円~1万5000円が相場なので、それらよりも1万円以上高いことになります。

そして、最も大変なのが販売直後の予約です。

新しいモデルの販売が解禁されるや否や、ネットショッピングでは購入予約をしようと壮絶なクリック合戦が繰り広げらます。

それに敗れると店頭で購入する道を探しますが、他のシューズのように大量生産できるものではないため品薄状態であることがほとんど。

不定期に公表される入荷情報を頼りに、お店に足を運ぶのです。

このように市場が非常に白熱するため、問題も起きています。

市場に出回るヴェイパーフライを大量に買い占めて、通常価格よりも高い値をつけて売る転売も多数現れているのです。

5万円以上の値をつけて売ることが多く、通常の2倍近い価格まで引き上げられています。

このような問題が起こるほど、人々の関心はこの厚底シューズに集まっていると捉えることもできるでしょう。

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厚底シューズの性能

このように人気を集めている厚底シューズですが、いったい何が違うのでしょうか?

その機能に迫っていきます。

特殊な素材を使ったミッドソール

ナイキ社の発売している厚底シューズの最大の特徴は、ミッドソールに特殊な素材を使っていることです。

最も厚い部分で約4cmもあるズームフライシリーズのシューズやヴェイパーフライシリーズのシューズですが、その重量は200g以下。

多くの人が、手に取った時その軽さに驚くといいます。

それを可能にしているのが、航空宇宙産業で使われている新素材です。

名前を「ズームXフォーム」といい、軽さと柔らかさとある程度の強度を持っています。

このズームXフォームが、スプーン上のカーボン性のプレートを挟む3層構造がヴェイパーフライが驚異の反発を生む秘密なのです。

しかし、特殊な素材を私用しているため、大量生産はできません。

そのため、市場に出回る数が必然的に少なくなります。

これが、入手が困難である理由です。

下り坂を走る感覚を生む

また、ズームフライやヴェイパーフライは従来のシューズと形も少し異なっています。

実際にシューズを横から見たら一目瞭然ですが、普通のシューズに比べて、つま先部分がせりあがっているのが分かるでしょう。

この形状により、シューズを履いて重心を前に傾けるだけで前足部が曲がり、それが元に戻ろうとする力で自然と身体が前へと進みます。

推進力をシューズが生むという今までになかった後押しがあるため、多くの選手が「下り坂を走っているみたいだ」と評するのです。

これはシューズのネーミングにも用いられ、ヴェイパーフライ4%という名前は、「走りの効率を4%上げる(傾斜1~1.5%の下り坂を走った時の効率の上昇率とされる)」という意味を持ちます。

履きこなすことができれば、面白いように足が前へと進んでいく感覚を掴むことができるでしょう。

耐久性にはやや劣る

ヴェイパーフライ4%を例に挙げると、シューズの寿命は走行距離150~200kmと言われています。

普段から継続して練習を行うエリートランナーであるならば、時によっては1週間で走破できてしまう距離なのです。

そのため、スポーツ店などに行くと、レースでのみの使用をおすすめされます。

なぜこんなにも寿命が短いのか?

それは、先ほども取り上げたカーボンプレートが理由です。

軽さと反発性を両立するため、内蔵のカーボンプレートは薄くなっています。

走る際にはカーボンの反発を使っていくので、一歩に体重の3倍の負荷がかかると言われているランニングでは一気に消耗してしまうのです。

値段も安くはない代物ですので、効果を最大限タイムに反映させるためにも使用はレースのみが良いでしょう。

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厚底シューズを履きこなそう!

ただ履いて走るだけで速くなるわけではありません。

この素晴らしいシューズを履きこなすためには、いくつかのポイントが存在します。

今までのシューズの特性とは異なる厚底シューズを履きこなすためには、どのようなことに注意すればよいのでしょうか?

お尻を使った走りをマスターする!

実際にナイキ社の厚底シューズを履いて走ると分かるのですが、走った後はかなりお尻に張りがあります。

これは、シューズの反発に身体が耐えるために、大きな筋である大殿筋などを動員しようとするためです。

シューズ自体が反発を生むため、身体をできるだけまっすぐに保つと力を逃がすことなく前への推進力に変えることができます。

そのため、下肢を一直線に伸ばす形になり、お尻の辺りに負荷がかかるのです。

負荷に耐えうる十分な体幹、そしてお尻周りの筋を備えていなければ、身体が折れてしまいせっかくの反発が減少してしまいます。

こうならないためにも、ヴェイパーフライを履きこなすためには、お尻を上手く使えるようにする必要があるでしょう。

お尻を使える走りを手に入れるトレーニング

①お尻歩き

ランニングでお尻を使えるようにするために有効なのが、その名も「お尻歩き」です。

床に座り、足をまっすぐ前に伸ばして、左右のお尻を浮かせながら前へと進んでいきます。

これが意外に難しく、股関節やお尻、上半身の動かし方が連動していないと全く前に進みません。

今まで走りの連動性が低かった証拠です。

最初は股関節、お尻周りに筋肉痛が現れると思いますが、それはその部位がきちんと使えている証拠です。

地道に続けていくと、次第に疲れにくく、なおかつ速く前へと進めるようになります。

注意するのが視線の向きと背中。

背中が丸まって視線が下に向きがちなので、進行方向をぼんやりと眺めるイメージをしましょう。

そうすると、自然と背中も自然なカーブを描き、実際のランニングに近い状態でのトレーニングになります。

②バウンディング

お尻などの大きな筋を使って走るためには、身体全体の動きの連動が大切です。

しかし、走る動作となると足だけに意識が向いてしまい、上半身の動きがおろそかになっている人も多く見受けられます。

そんな人が取り組むべきなのが、バウンディングです。

短距離走者や跳躍選手など、陸上競技では短い距離を走る選手向けのメニューのように思われますげ、身体全体を使って走る感覚を身に着けることができるため、実は長距離選手にとっても重要な練習です。

身体全体を上手に使えない人は、どうしても膝から弾もうとするため身体があまり前へと進んでいきません。

足の裏全体でしっかりと着地し、股関節からお尻の辺りに体重を乗せて足を切り替える意識を持ちましょう。

腕の振りは、地面に足がついた瞬間には軸足の方の手が太もも辺りを通過するぐらいのタイミングになると、上半身が推進力を殺す率が少なくなります。

最初は20mぐらいを正しいフォームでできるようにすることを目標に、慣れたら50mぐらいまで伸ばします。

下肢に違和感がある場合を除き、毎日取り組むと身体がボールのように前へと弾んでいく感覚が次第に手に入ります。

 

③股関節ほぐし

股関節がしっかりと動くか動かないかで、走りの効率は大きく変わってきます。

お尻周りの筋を動員するためには、股関節が前後方向に十分に動くようにしなければなりません。

動画のような簡単なストレッチでも、毎日行えば運動によって疲労した股関節周囲の筋を元の長さに戻すだけではなく、柔軟性を高めることができます。

練習前と練習後に取り入れて、自然なこかんせつの可動域を保つようにしましょう。

接地の意識は真ん中からつま先よりに

長い距離を走る時、今まではかかとから接地する「ヒールストライク」の人が大半を占め理想的とされてきました。

しかし、高速化が進んでいるマラソン界では、つま先で接地する「フォアフット」や、足裏の真ん中あたりで接地する「ミッドフット」が広まりつつあります。

このような動きに合わせて開発されたのが、ヴェイパーフライに代表される厚底シューズなのです。

そのため、シューズの性能を十分に発揮するためにはつま先よりの接地でハムストリングスを使った走りをマスターするとよいでしょう。

もちろん、ヒールストライクでも使用できますが、ヴェイパーフライの場合はかかと部分のソールが薄くなっていますので、気になる方は注意が必要です。

ペースアップに対応する

ヴェイパーフライなどの厚底シューズを使い始めた当初は、味わったことのない反発の強さに影響を受けて、走るペースが自然と上がっていくと思います。

経験談をまとめた数字にはなってしまうのですが、5~10秒ほど自分の思っているペースより速くなっていることが多いそうです。

できれば、この自然なペースアップに対応し、ペースを意図的に落とさないように心がけましょう。

無理にスピードを緩めると、身体が無理をしてブレーキをかけるため、かえって筋の張りがでる場合があります。

上がったスピードに耐えながら、身体の使い方の感覚を掴んでいくと、レースで走ることのできるペースも上がっていきます。

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まとめ

今回は、厚底シューズ、特に巷で話題となっているナイキのヴェイパーフライシリーズの解説を中心に行っていきました。

道具の性能が上がり、私たちは高い質のトレーニングに取り組むことができるようになりました。

しかし、たくさんの情報があふれ、理解しないまま使うと宝の持ち腐れです。

せっかく魅力的なツールを手に入れるのならば、取り扱い方は一通り学ぶようにしましょう。

そうすれば、あなたの能力はさらに進化できるはずです。

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