今回は、美容を目的にしたマラソントレーニングについて解説していきます。
ジョギング、ランニングをする人は、血色が良く肌つやも良いと言われます。
はたして、それは何故なのでしょうか?
どうしてジョギングやランニングなどのマラソントレーニングが肌や姿勢を美しくするのか、そのメカニズムについて探ってみたいと思います。
また、マラソントレーニングは長時間やればやるほど、効果が期待できるというわけでもないようです。
どのくらいのトレーニング量(走る距離)が理想なのか、その辺りもお伝えしていきます。
走る事はなぜ美容に良いのか?
均整のとれた筋肉がつくので美しい体形が維持できダイエット効果が期待できる
ジョギングやランニングには、全身にバランス良く筋肉をつける効果があります。
ウェイトリフティングなどのように部分的に筋肉がつくのではなくて、全身の筋肉がバランス良く整うので、怪我やトラブルの予防にも効果があります。
全身にバランス良くついた筋肉は、基礎代謝が高まり消費カロリーが上がるので、ダイエット効果が期待できます。
美しい姿勢はプラスに働くスパイラル!ふだんの立ち居振る舞いが美しくなる
美しいランニングフォームは背筋が伸びて常に美しい姿勢を保つ習慣づけにもなります。
美しい立ち姿勢は、垂直の壁にかかとや背中、後頭部を付けて立ち、腰のあたりに握りこぶし1個分のスペースをあけた状態が理想的です。
美しい歩き方や美しい姿勢を維持するために、常に体幹筋を使います。
猫背や頬杖をついた姿勢は、体幹筋をあまり使用していません。
美しい姿勢は、体幹筋を使うので、体幹筋を常に鍛えていることになります。
美しい姿勢が体幹筋を鍛えて、基礎代謝を高め、ダイエット効果が期待できる。
こうして、美容効果にプラスに働くスパイラルが生じることになります。
適度に汗をかくことで皮膚の毛穴がきれいになる
ランニングやジョギングで適度に汗をかくことは、毛穴の中の皮脂や汚れを汗と一緒に体外へ排出する効果があります。
また、頭皮でも汗をかかないでいると皮脂や汚れが毛穴を塞いで、常在菌が繁殖しやすくなります。
汗と一緒にさまざまな老廃物が毛穴から排出されるので、毛穴内の雑菌の繁殖を防いで、頭皮の場合は抜け毛予防になり、肌ではニキビやかぶれといった炎症を予防する効果が期待できます。
ランニングやジョギングをすると肌がきれいになるのは、上記のようなメカニズムが働くからだと考えられます。
汗をかいてそのままにしておくと、毛穴から出た老廃物や皮脂がまた毛穴に入り、取れにくくなるので、汗をかいたら熱めのシャワーで洗い流すことが大切です。
体幹筋が養われ便秘予防の効果が期待できる
便秘は自律神経の働きが悪くなり、皮膚の血行を阻害するので、お肌には大敵だと言われています。
肌つやがなくなり、ニキビや肌荒れといったトラブルの原因になりかねません。
正しいフォームで走るランニングやジョギングは、体幹筋の中でも特に腹筋や骨盤底筋を鍛えることができるので、便秘予防に効果が期待できます。
便秘になりにくい体質がお肌をきれいにしてくれます。
有酸素運動は新陳代謝を活発にして良質な睡眠が得られる
ランニングのような緩やかな有酸素運動は、活性酸素を除去して抗酸化酵素を増加させる効果が期待できます。
また、有酸素運動は血管内を流れる血流量を増加させるので新陳代謝なども活発になり、肌の老廃物なども排出しやすくなります。
そのため、肌の新陳代謝がすすみ、みずみずしい美肌効果が期待できると考えられているのです。
また、適度な運動を継続することで良質な睡眠が得られるというメリットもあります。
睡眠時間が確保できるようになると、肌荒れといった症状も解消されることでしょう。
お化粧のノリなども変化が現れてくるはずです。
美しい走り方は美しい歩き方から
ジョギングやランニングは正しいフォームで行うのがもっとも大切です。
美しいランニングフォームは美しいウォーキングフォームの延長線上にあると言っても良いでしょう。
まずは美しい歩き方のフォーム
壁にかかとと背中、後頭部を付けて、腰に握りこぶし1つ分の空間をあけた状態が、理想的な立ち姿勢です。
立った姿勢を1本の棒だとしたら、心もち前に棒を倒すようにして、1歩を踏み出します。
その時、前足は斜めになった棒の重心よりも手前に着地すると、前に進もうという力が働き、自然に左右の足が交互に出るスムーズな歩き方になります。
正しいランニングフォーム
ランニングフォームもウォーキングフォームと同じ要領です。
立ち姿勢が棒だとしたら棒を前に傾斜させるようして、足を前に踏み出して走ります。
その時、腹筋に力をいれて、お尻を上に引き上げるような気持ちで、骨盤を前傾させることがポイントです。
踏み出す足は、かかとから着地(ヒールストライク)するか、それとも足全体(ミッドフット)か、足の前半分(フォアフット)で着地した方が良いのか、迷うところです。
かかとでの着地は足首や膝に衝撃がかかりトラブルの原因になるという人もいますが、かかとからスムーズに着地してスムーズにつま先に重心移動することで、衝撃がやわらぐという指導者もいます。
日本人の約8割が、かかとから着地するヒールストライク走法だと言われています。
アフリカのマラソン選手が、足の前半分で着地するフォアフット走法で相次いで高タイムを出したことから、最近はフォアフットに注目が集まっています。
どちらが正しいということではなくて、どちらにも長短があるのです。
例えば、足の前半分で着地するフォアフット走法の場合は、ふくらはぎに負担がかかるため、マラソンのような長距離には向いていないという意見があります。
ヒールストライク(踵)、ミッドフット(足の全体)、フォアフット(足の前部分)のどれを選ぶかは、個人によって好みがわかれるところですが、基本的なランニングフォームに大差はありません。
腹筋を意識して、前に倒した棒の重心よりも手前に着地することで、前に進もうとする力が働き、美しい姿勢で長距離が走れます。
マラソン後に食べると美容効果が期待できるレシピ
ランニングやジョギングはカロリーを消費するだけでなく、汗と一緒に体内のミネラル分やビタミン類などが排出されます。
炭水化物による糖質の補給や、筋肉のダメージを補修するタンパク質、美容に欠かせないミネラルやビタミン類の摂取を心がけるようにしましょう。
バランスの取れたメニューをいくつか紹介していきます。
①糖とタンパク質、ビタミンやミネラルを補給して若さを保つレシピ
ご飯(炭水化物)、ニラ豆腐(タンパク質、ミネラル)、鶏ハム(タンパク質、ミネラル)、セロリとアボカドのサラダ(ビタミン類、ミネラル)。
【材料1人分】
ニラ豆腐:ニラ5本、豆腐半丁、ごま油、塩少々
鶏ハム:鶏むね肉(200g)、塩、コショウ
セロリとアボカドのサラダ:セロリ1本、アボカド1/2個、オリーブオイル少々、塩少々
【ニラ豆腐の作り方】
ニラ豆腐は、木綿豆腐を手でつぶして、刻んだニラを入れて、ごま油、白で味を調えて和えた料理です。
ボールなどで数分で作れるので、栄養価の高いお手軽なレシピです。
【鶏ハムの作り方】
鶏ハムは、鶏のむね肉に塩コショウで味付けして、ラップで棒状に包み、沸騰したお湯に入れます。
再沸騰したら火を止めて、鍋に蓋をし、余熱で30分放置して完成です。
そのまま食べられますが、冷蔵庫で冷ますと、しっとりとして美味しくいただけます。
【セロリとアボカドのサラダの作り方】
セロリとアボカドのサラダは、セロリを適度な大きさにカットして、アボカドも適度な大きさにカットして、塩、オリーブオイルで混ぜて完成です。
【栄養成分・効果】
ニラ豆腐のニラには、疲労回復や滋養強壮に効果があるアリシンという成分が含まれており、ビタミンB1 の吸収を助ける効果があります。
ほかにも、免疫力を高めて、さまざまな病気にかかりにくくなる身体になるなど、メリットが豊富。
豆腐はヘルシーで良質なたんぱく質、ダメージを受けた筋肉をすばやく修復してくれます。
鶏むね肉は、筋肉のダメージを補修して疲労効果に役立つイミダペプチド(イミダゾールジペプチド)という成分を多く含んでいます。
渡り鳥が何万キロも飛べるのは、アミノ酸結合体の一種である「イミダペプチド」のお陰です。
アボカドはビタミン類やカリウム、マグネシウムなどのミネラルを豊富に含んでいます。
特に抗酸化作用が強いため「若返りのビタミン」の異名を持つビタミンE が豊富です。
②美容と疲労回復に良いレシピ
納豆・アボカド・豆腐丼
【材料1人分】
納豆1パック、アボカド1/2個、豆腐半丁、玉ねぎ1/3個、ごま油少々、醤油少々、ご飯
【作り方】
①アボカド(1/2個)は1㎝のさいの目上にカット、豆腐(半丁)は手でつぶし、玉ねぎはみじん切りにして、納豆と混ぜます。
②丼にご飯を盛りつけて、その上に①を乗せて、ごま油、醤油少々をかけて完成です。
【栄養成分・効果】
納豆と豆腐の主成分は良質なたんぱく質なので、スポーツなどでダメージを受けた筋肉の疲労回復や修復に効果があります。
アボカドは、若返りの果物と言われるほど、美容効果の高いビタミンEやカリウム、マグネシウムなどのミネラルが豊富です。
玉ねぎには疲労回復やビタミンの吸収を助けるアリシンが含まれています。
アボカドの美容成分を吸収させる効果も期待できます。
どれくらい走ればダイエットになるの?カロリーを意識しながら走ろう!
「摂取したカロリー」-「必要消費カロリー」=「オーバーしているカロリー」
体重×30=「1日の必要消費カロリー」
「摂取したカロリー」-「1日の必要消費カロリー」=「オーバーしているカロリー」
「オーバーしているカロリー」÷「体重」=「1日の理想的なジョギングなどで走る距離」
体重50㎏の人の計算例
例えば体重50kgの人は、1日の必要消費カロリーが50㎏×30=1,500 kcalとなります。
もしも摂取カロリーが1,600 kcalだとすると
「摂取カロリー1,600 kcal」-「必要消費カロリー1,500 kcal」=100 kcalとなり
100 kcalオーバーしていることになります。
「体重(kg)×距離(km)=消費カロリー」の計算式で、毎日ジョギングする距離が割り出せます。
100 kcalを消費するための走行距離は、「オーバーカロリー÷体重」となります。
100 kcal÷体重50㎏=2km
2km毎日ジョギングすると、摂取カロリーと消費カロリーのプラスマイナスがゼロになります。
1日の摂取カロリーと必要消費カロリーを計算して、理想的なランニングやジョギングの距離を割り出すようにしましょう。
1日約1,600 kcalの参考メニュー
合計1,535 kcalのメニュー
ご飯茶碗1杯が約168 kcal×3食=504 kcal
朝:ウルメイワシ2尾(50 kcal)と玉子(91kcal)=141 kcal
昼:生姜焼き定食(ご飯以外のカロリー)=340kcal
夜:チキンソテーとサラダ=550 kcal
合計1,519 kcalのメニュー
朝:食パン6枚切 2枚(177kcal×2)バター(5g:30 kcal)=384 kcal
昼:蕎麦=285 kcal
夜:ビーフカレー、サラダ=850 kcal
合計1,613 kcalのメニュー
朝:おにぎり2個(170×2)=340 kcal
昼:ラーメン=500 kcal
夜:サンマ塩焼き220 kcal、ご飯168 kcal、煮物(イカと里芋)200 kcal、日本酒1合185kcal
※摂取カロリーを抑えたダイエットは、逆効果です。
オーバーしたカロリー分をランニングやジョギング、ウォーキングなどで消費するようにしましょう。
摂取カロリーを抑えたダイエットは運動不足になり、筋肉などがやせ細るので、基礎代謝が落ちてきて、逆に太りやすい体質になってしまいます。
より美しくなりたいのであれば StepUP編
階段の上り下り運動が腸を活発にする体幹筋を鍛える
ランニングは腸を活発にさせますが、さらに腸を元気にする運動として階段の上り下りがあります。
ランニングから帰ったら階段の上り下り運動を3回(5階建)ほど行いましょう。
これは、腸を動かす腹筋と腸腰筋が鍛えられるためで、身体の深いところにある腸腰筋などのインナーマッスルを鍛えるには階段の上り下り運動がもっとも適していると考えられているからです。
登山をしている人に便秘の人が少ないと言われるのもそのためです。
腸のぜんどう運動を活発にして善玉菌を増やすために
マラソンやジョギングなどの有酸素運動は、副交感神経の働きを良くして、腸のせんどう運動を活発にさせる効果があります。
腸のぜんどう運動が活発になると、善玉菌にとって住みやすい腸内環境に改善され、便秘の解消につながります。
その結果、肌を美しくする効果が期待できます。
マラソンやジョギングに加えて、野菜や海藻などの植物繊維をたくさん摂取することも重要です。
植物繊維は善玉菌の餌になるだけでなく、腸内の老廃物をきれいに排泄させる役割を担っています。
また、野菜だけでなく、お米や小麦などの炭水化物も善玉菌を増やすために必要な栄養素となります。
有酸素運動に加えて、野菜や炭水化物、タンパク質などをバランスよく摂取することが大切です。
美を保つためのランニング後ストレッチ
筋肉を柔らかく若返らせるためのランニング後のストレッチ
トレーニング前よりもトレーニング後のストレッチが重要だと言われています。
その理由は、ランニングやジョギングをして、散かったままになっている筋繊維を元通りに整理整頓させるのがストレッチの役目です。
運動をすると筋繊維の一部が破壊されます。破壊されたままにしておくと、筋繊維が壊れて散かったままくっついてしまうことになりかねません。
このことが筋肉の老化や硬くなる原因です。
適切なストレッチによって、筋繊維を伸ばし、正常な位置にもどし、整列させてからくっつける必要があります。
もとどおりの配列でくっつけないと、筋肉がどんどん硬くなり、怪我やトラブルの原因になります。
トレーニング後のストレッチは、筋肉や身体の若さを保つ上でも欠かせません。
ランニングの後には、以下の3つのストレッチを中心に行いましょう。
① 階段などで後ろのアキレス腱と太ももを伸ばします。階段がない場合はちょっとした段差でも行えます。伸ばす時はつま先をまっすぐに前に向けておくとこがポイント。
② ハムストリングス、膝くらいの高さの台に片足を乗せて、つま先を持って足の後ろを伸ばします。この時、膝を曲げないようにしましょう。
③ お尻の筋肉を伸ばします。イスに腰かけて仏像の「半跏思惟像」のように片足を膝に置き、背筋を伸ばしたまま、前に前屈してお尻の筋肉を伸ばします。
この3つのストレッチを行うことで、運動でダメージを受けた筋肉の修復を速め硬くなることもなく、若々しい筋肉を保つことができます。
腸の働きを活発にして善玉菌を増やすストレッチ
画像のポーズは、ヨガの「立位で弓を引くポーズ」です。
先述の筋肉を伸ばすストレッチの後には、「立位で弓を引くポーズ」のストレッチを行いましょう。
このストレッチは、全身の筋肉を使うだけでなく、腸の活動を活発にしてくれます。
腸の活動が活発になると善玉菌が増え、美肌効果なども期待できます。
ストレッチ方法はとてもシンプルです。
① まず普通に立って息を吸います。
② 次に、この「立位で弓を引くポーズ」で15秒ほど静止して
③ 両手を頭上にあげて、普通の立ち姿勢にもどり、息を吐きながら、両手を左右に大きく回しておろします。この時息をすべて吐き切るつもりでお腹をへこませてください。
このストレッチを続けていくうちに、全身の血液循環が良くなり、腸のぜんどう運動も活発になります。
腸内の環境が整うことで美肌効果が期待できます。
まとめ
今回は、美容効果に良いマラソントレーニングについて解説してきました。
ジョギングやランニングはどのくらいの距離を走れば良いのか、距離を割り出す計算式も掲載しましたので参考にしてください。
美容に良いレシピなども、毎日の美容と健康づくりに活用していきましょう。