トップアスリートもやっているタバタ式トレーニングの始め方

タバタ式トレーニングとは、立命館大学教授である田畑泉氏によって開発されたトレーニングのことです。

1日4分間という短時間で、自宅にいながら簡単にできるトレーニングとして海外で脚光を浴びました。

どんなに忙しい方でも捻出できる時間ではないでしょうか?

タバタ式トレーニングのメリットは短時間で終わるというだけではなく、持久力のアップ、新陳代謝が上がり痩せやすい身体が手に入るなどの嬉しいメリットが満載です。

「そんなタバタ式トレーニングの効果から始め方、注意点などを解説していきます。」(引用サイト:スタミナの付け方)

タバタ式トレーニングとは?

タバタ式トレーニングは、4分間で激しい運動と短い休憩を繰り返す方法で行われます。

具体的には強度の高い運動を20秒、10秒の休憩を8回繰り返すだけのトレーニングです。

しかし、短時間で終わる代わりにトレーニング後は疲労困憊になるくらいの追い込みが必要なので、油断は禁物です。

では、どのような目的でタバタ式トレーニングが行われるのでしょうか?

主な目的は酸素摂取量を増やすこと

タバタ式トレーニングを行う主な目的は酸素摂取量を増加させることにあります。

酸素摂取量を増加させるために、タバタ式トレーニングでは有酸素性エネルギー(酸素を使ってエネルギーを作る)と無酸素性エネルギー(酸素を使わずにエネルギーを作る)を同時に刺激します。

この刺激によって酸素摂取量が増え心肺機能を向上させるのです。

心肺機能の向上は他にも数多くの恩恵を得られるので、ぜひとも鍛えておきたいところです。

タバタ式トレーニングで得られる効果

酸素摂取量が増加することで、持久力が高められます。

持久力が高まれば、エネルギーを効率よく使うことができるので、より少ないエネルギーで身体を動かすことができるようになるのです。

そのため、エネルギーを有効に活用できれば、さまざまなスポーツのパフォーマンス向上も期待できます。

トップアスリートも実践していた!

元スピードスケートの金メダリストでもある清水宏保選手もタバタ式トレーニング実践者の一人です。

清水選手がトレーニングに取り入れていた当時は、タバタ式トレーニングに今ほどの知名度はなく、単に秒数を示す「20秒10秒」と呼称されていました。

エアロバイクで20秒の全力運動を行い、10秒の休憩を8セットこなした直後は苦しさのあまり、敷かれた毛布に倒れこむほどの激しいトレーニングだったそうです。

驚くことに清水選手は喘息もちでありながらこれほどのトレーニングをこなし、強靭な心肺機能を手に入れています。

スポーツのパフォーマンスアップにも効果的

持久力がアップすることで、マラソン、ロードバイク、マラソンスイミングとも呼ばれる長距離水泳などの持久力系スポーツでの パフォーマンス向上も期待できるでしょう。

現在はフィジカル面からのアプローチとして、さまざまなスポーツ選手がタバタ式トレーニングを取り入れています。

このタバタ式トレーニングは逆輸入される形で日本に上陸し、最初は、単に痩せるためのトレーニングとして広まりました。

痩せやすい身体づくりに!

タバタ式トレーニングは痩せるためのトレーニングではなく、トレーニングによって得られた身体能力の向上によって、副次的に痩せやすい身体が手に入るのです。

運動後もエネルギー代謝の高い状態が維持されるので、脂肪燃焼効果も継続し、結果的に痩せやすくなります。

脂肪は1gあたり9Kcalなので、脂肪を1㎏消費しようとすれば、7,200Kcal消費しなければなりません。

気の遠くなるような数字ですが、代謝の高い状態が続けば、特に意識しなくてもcalを消費してくれます。

つまりトレーニングを継続して行うことで、痩せやすい身体になり、その結果として、ダイエット効果がもたらされるのです。

しかしタバタ式トレーニングは短時間の運動なので、消費されるcalはあまり多くなく、ダイエット目的として本導入するのはおすすめできません。

引き締まった身体が手に入る!

タバタ式トレーニングは、強度の高い運動を行うことになるので、自然と筋肉も追い込まれ、その結果引き締まった身体つきに変化していきます。

しかし、短期間で効果が得られるようなものではありません。

今まで継続して運動を行ってきた方であれば、短期間でも身体が引き締まっていくような変化が期待できますが、運動習慣がない方は、何よりも継続させることが優先事項です

「運動はなかなか、継続できないんだよな」という方でも、タバタ式トレーニングは短時間で行える継続しやすい運動と言えるので挑戦してみる価値はあるでしょう。

実際、「週3回、6週間行った場合の効果が有酸素性エネルギー10%、無酸素性エネルギー30%改善した」ことが効果研究によって報告されています。

効果が出る!タバタ式トレーニングの始め方

ウォームアップを行う

先述した通りタバタ式トレーニングは強度の高い運動を繰り返すので、同時に関節や筋肉を傷める可能性も高いです。

運動を行う前にはウォームアップで、身体を温め、動きやすい状態を作っておいてあげることで怪我の防止につながります。

慣れてくると怠りがちになってしまいますが、怪我をしてしまってからでは遅いので、しっかりとウォームアップを行うことを忘れないでください。

強度の目安

タバタ式トレーニングの強度の目安に最大心拍数を活用します。

年齢によって違いが出るので、「220-年齢」で出した数値を100%とすると、その値の85%~90%を目指すことになります。

例えば、30歳の方であれば、「220-30=190」「190×0.9=171」です。

大体の数値を測るには、トレーニング直後10秒間の心拍数を測り、それを6倍することで大まかな数値を把握できます。

タイマーを用意する

トレーニング中はいちいち時間を気にしている余裕はありません。

実践する際は、タイマーを用意して挑むようにしましょう。

次に紹介するアプリを導入してみてください。

iphonアプリ Tabana Timaer

Androidアプリ Tabata Timer – タバタタイマー 無料

 

他に、YouTubeで「タバタソング」と検索すれば、動画でのタイマーが見つかるはずです。

トレーニング中に心が折れそうなときに動画に目をやると、そこには同じく懸命にトレーニングをしている人の姿が映し出されるので、もうひと踏ん張りの力を絞り出すことができるでしょう。

自宅でできる4つのトレーニング

次に、自宅でも手軽に実践できるトレーニング法を紹介していきます。

それぞれの方法で鍛えられる箇所が違ってくるので、あらかじめ「どの部分を鍛えたいか?」をイメージしたうえで実践しましょう。

バーピージャンプ

バーピージャンプは腕立て伏せとジャンプを組み合わせたトレーニングです。

見た目以上にきついトレーニングなので 、ジャンプや腕立て伏せの回数を増減するなどして強度を調整してください。

「大胸筋、」「大腿四頭筋」「ハムストリング」「大殿筋」 などの大きな筋肉が満遍なく使われるため、体力を温存しながらできるようなトレーニングではありません。

また全身への負荷が大きいので、無理はしないように心がけてください。

ジャンピング・スクワット

スクワットにジャンプの動作を組み入れた負荷の高いトレーニングです。

「大殿筋」、「ハムストリングス」、「ヒラメ筋」を使うので下半身の強化により跳躍力のアップが期待されます。

スクワット時に深く膝を曲げすぎると、膝への負担が大きくなってしまうので注意が必要です。

また、ジャンプからの着地時には膝を曲げた状態で着地するように心がけてください。

マウンテンクライマー

マウンテンクライマーは全身エクササイズで、主に使われる筋肉は「腹直筋」「腸腰筋」「大殿筋」の3つです。

マウンテンクライマーにはいくつかのバリエーションがあるので、気分や体力によって変更ができます。

フォームを意識し、崩れないように注意しながら負荷を高めていってください。

ジャンピングジャック

強度の低いものから始めたい場合にはこの方法がおすすめです。

運動前のウォーミングアップとして使われるくらいの低強度なので、あまり運動をしてこなかった方にぴったりです。

ジャンプが必要な種目では着地時に膝を柔らかく使ってあげることで、膝への負担を軽減します。

自宅で「静かに」できる3つのトレーニング

ジャンプを取り入れた種目が多いので、マンションなどにお住まいの方は階下への音が気になるかもしれません。

次にそんな方でも実践できるトレーニングを見ていきましょう。

ワイド・プッシュアップ

手の幅を広げて行う腕立て伏せで、大きい筋肉である「大胸筋」に負荷をかけてくれるので、自重であっても強度の高いトレーニングができます。

手の幅を狭くしていくごとに、大胸筋よりも上腕三頭筋に効いてくるので、肩幅よりも広い手幅で行うようにしましょう。

バイシクルクランチ

脚を引き付ける動きを伴いながら腹筋を刺激します。腹筋の中でも「腹斜筋」と「腹直筋下部」に効く種目です。

手は頭の後ろに構えしっかりと腹斜筋に刺激を届けましょう。

また、脚は床につけないように腹筋の緊張を保つよう意識してください。

スクワット

「大殿筋」、「大腿四頭筋」、「ハムストリングス」、「ヒラメ筋」、「脊柱起立筋」などを幅広く鍛えることができる定番の筋トレメニューです。

スクワットは膝から動かないようにして、必ず股関節が動くようにして、膝がつま先よりも前に出ないようにしてください。

クールダウン

クールダウンは疲労回復や怪我の防止に効果的です。

タバタ式トレーニングのような激しい運動をした後は心拍に合わせて筋肉が収縮し、血液を全身へと循環させています。

しかし、急に動きを止めてしまうと心臓だけが血液を送り続けることになってしまい、筋肉中に血液が滞留してしまいます。

その結果血液が心臓へスムーズに戻れる量が減少し、貧血やめまいを引き起こす原因にもなりかねません。

クールダウン時には軽い有酸素運動や、固くなった筋肉をほぐしてあげるようなストレッチが効果的です。

なお、ストレッチにはラジオ体操などの動的ストレッチと、一定方向に筋を伸ばす静的ストレッチ (前屈など)がありますが、クールダウン時には静的ストレッチを行いましょう。

注意事項

血圧の高い方や関節に異常をお持ちの方は医師に相談の上トレーニングを行ってください。

タバタ式トレーニングは短時間で激しい動きを伴うので、血圧がかなり高まります。

また、運動によっては関節に大きな負担がかかってしまいますので、十分に注意してください。

以上、自宅でできるトレーニングを7つご紹介してきました。

タバタ式トレーニングの効果やトレーニング方法を見てきましたが、今度は反対にどんなデメリットがあるのかを見ていきましょう。

タバタ式トレーニングのデメリット

とにかく辛い!

短時間ですが、最大心拍数の85%以上を狙ってトレーニングをするので、心臓はバクバクで息はゼイゼイと上がってしまいます。

肉体的にも精神的にも過酷なトレーニングと言えるでしょう。

休憩の10秒がとても短く感じられ、運動時の20秒はとても長く感じられます。

高強度の運動で怪我の原因になりかねない

バーピーなどの高強度の運動を繰り返すことで、肘や膝の痛みを感じやすくなります。

また、初期のころにはあちこちが筋肉痛になることもあるでしょう。

このような場合は種目を変えたりしばらくは休養を取るなど、臨機応変に対応することが大切です。

無理して追い込めば怪我をしてしまい、長期間運動ができない事態にもなりかねません。

運動習慣がない方にはハードルが高い

筋肉や心肺機能は日々の運動によって徐々に発達していくものです。

運動習慣のない方が突然始めても身体に負担がかかるだけで、フォームも崩れてしまい怪我をしやすくなってしまいます。

まずは、低強度での運動習慣をつけるところから始めましょう。

まとめ

4分間でできるタバタ式トレーニングの効果や始め方をご紹介してきました。

これらのトレーニングにより、有酸素性エネルギー、無酸素性エネルギーを同時に刺激することで、心肺機能アップや身体機能の向上が見込まれます。

その効果を手に入れるための具体的なトレーニングも併せて解説していきました。

まずは自分の環境を整えることから始めてみましょう。

継続的に取り組める環境を整えるためにも、まずは低い強度から徐々に慣れていってください。

自分に合ったトレーニング強度よりもやや低めから始めることで、習慣が定着しやすくなるでしょう。

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