自分でトレーニングプログラムを作れるようになろう!

12月は新年まで残すところ1カ月。何か小さい目標を立てて達成するには最適な期間です。

来年に向けて本格的に運動を始める方や身体の調子を整える為に軽い運動を始めたい方に

まず最初に始めて欲しいのはトレーニングプログラムの正しい組み立て方です。

ある程度の道筋を立てることができなければ、効果が半減してしまいます。

ワークアウトの成果を十分に手にするためにも、基本的な知識はしっかりとマスターしましょう。

今回は、指導者が身に着けるべきスキルを説明していきます。

運動対象者を「自分」に設定して、トレーニングの管理を適切にできるようにするのが目標です。

プログラム作成の基本

通常、指導者がプログラムを提供する際は、①誰に対して、②どのような働きかけを施して、③どのような姿になってもらおうと思っているのかの3つの視点からアプローチをしていきます。

これは実施者の体力レベルに関係なく、共通して適応できるものです。

自分に対して適応する場合、①は決定しているので、②と③を熟考する必要があります。

特に、「③どのような姿になるのか」は、継続してトレーニングしていくときのモチベーションに大きく関わる部分ですので、しっかりとイメージしておきましょう。

自分の運動特性を知る

先ほど挙げた「②どのような働きかけを施して」を決定するには、自分がどのような人間であるかを知ることから始めることが重要です。

性別、年齢、体力レベル、病歴などの身体的な部分だけではなく、どのような運動が好きなのか、トレーニングに割くことのできる時間はどのくらいあるかなど、運動を実施するための環境もよく考えましょう。

この点については、トレーニングを行う中で適宜見直しが必要な部分です。

常に状況は変化していきますので、その都度評価をします。

運動処方の理論

運動処方には、①運動の種類、②運動強度、③持続時間、④頻度の4つの要件があります。

この4つを定めることによってトレーニングの大まかな流れが決まります。(決定方法は後で記載)

また、実際に運動に入る前には、毎回メディカルチェックを行うことが必須です。

大がかりな検診はできませんので、安静時の脈拍と体温だけでも測定できると、その日の体調を把握することができます。

安静時の脈拍が平常時より30~40ほど多かったり、体温が平熱よりも0.5℃以上高い場合は、運動の実施を見送るなどの対処を行いましょう。

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4つの要件を知ろう!

ここからは、プログラムを作る際に重要な①運動の種類、②運動強度、③持続時間、④頻度を詳しく見ていきます。

知識を整理していきましょう。

運動の種類

①有酸素運動

大筋群を利用して持続的に行う運動のことを有酸素運動と呼びます。※大筋群とは大胸筋・広背筋・大腿四頭筋などの大きな筋肉

心拍数や酸素摂取量が一定のレベル(定常状態)を保ちながら継続することで、多くのエネルギーを消費する運動です。

呼吸循環器系に刺激が入るため、心肺機能の向上が期待できます。

また、適切な強度での有酸素運動により脂肪の消費も増えるため、体脂肪の減少にも期待できます。

②筋力増強運動

通称「レジスタンス運動」のことで、目的に応じた負荷設定で筋力や筋機能の向上、筋量の増加が期待できます。

ダンベルやバーベル、ゴムチューブなどの器具を用いて行うこともあり、多様なプログラムを組むことができる運動です。

③ストレッチング運動

筋や腱をほぐして柔軟にし、関節可動範囲を拡大させて運動を容易にすることを目的としています。

普段あまり利用していない筋群に対してストレッチング運動を行うと、神経筋反射機能が働き、筋機能の改善にも繋がります。

また、拮抗筋のゆるみとこわばりのバランスを整えることにより、動作を円滑にしてパフォーマンスを向上させる効果も期待できる運動です。

④レクリエーション運動

上の3つとは一線を画す運動で、ウォーキングやハイキング、レク・ゲームのような内容の運動のことを指します。

心肺機能の向上や筋量増加といった大きな効果は期待できませんが、心身のリフレッシュが期待できます。

トレーニングに行き詰った時、シーズンの変わり目などに気分転換で用いられることの多い運動です。

運動の強度

4つの運動要件のうち、最も難しいのが強度設定です。

これを理解するには、「物理的強度」と「生理的強度」の2種類を分けて考える必要があります。

物理的強度は、エネルギー論から導き出す強度のことで、最も代表的なものにW(ワット)があります。

他にも、重量(kg)に移動距離(m)をかけた単位である「kpm」や、ウォーキングやランニングなど移動距離を表す「m/分」や、「km/時」も物理的強度です。

対して生理的強度の代表は、「VO₂MAX(最大酸素摂取量)」です。

これは体内に取り込まれた酸素の量を意味し、単位の表記法としては単位時間あたりの酸素摂取量を表す「L/分」と、体重1kgあたりに換算した値である「mL/kg/分」、そして安静時の酸素摂取量を基準とした倍数で表す「メッツ(METs)」の3種類があります。

強度の相関は、1METS=3.5mL/kg/minです。

また、上位の2つの強度のほかに、「主観的運動強度(RPE)」と呼ばれるものもあります。

運動実施者自身が現在の強度を評価するもので、簡易的に強度を判断できるのが利点です。

 

☆自覚的運動強度の指標

Borg Scale New Borg Scale
(オリジナル)
20
19 very,very hard 非常にきつい
18 maximal
17 very hard かなりきつい 10 very,very strong
16 9
15 hard きつい 8
14 7 very strong
13 somewhat hard ややきつい 6
12 5 strong
11 fairly light 楽である 4 somewhat strong
10 3 moderate
9 very light かなり楽である 2 weak
8 1 very weak
7 very,very light 非常に楽である 0.5 very,very weak
6 0 nothing at all

Borg Scaleは、数字を10倍するとほぼ心拍数になるように工夫されています。

また、Borg Scaleに改良が加えられたNew Borg Scaleは、数字を10倍するとその運動が自分の持っている能力の何%程度かを示すように設定されています。

これらの指標は、呼気ガスなどの科学的な測定を行って適切な運動強度を設定することができない一般の人々向けに作られたものです。

そのため、心拍数や自覚的なきつさから運動強度の設定ができ、手軽に負荷を調節するにはもってこいの指標なのです。

持続時間・頻度

トレーニングの持続時間は、運動強度に依存します

すなわち、低強度の運動は長時間行うようにするべきです。

高強度の運動については、自己の危険が高まりますので、鍛錬者でなければ無理に実施することは行わなくて良いでしょう。

低強度から中強度の運動に関しては、実施時間と強度の把握を同時に行うことが重要です。

心拍数を指標にして、最大心拍数(HRmax)の60~80%の強度の運動を20~30分実施することが、多くの人々にとって安全かつ効果的なレベルであると言われています。

また、効果を持続的に得るためには、前記の強度の運動を週3~5回実施することが勧められています。

これ以上の頻度で実施すると、下肢の障害の危険性が高まるため推奨できません。

運動初心者の場合は、週2回でも十分にVO₂maxの増加が期待できるので、まずはそこから始めましょう!

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筋力トレーニングの基本

ここからは、筋力トレーニングのプログラムの組み方を考えていきます。

スポーツジムに通ってトレーニングをする人は、トレーナーと互いに意見を交換しながらメニューを作ることが良いトレーニングに繋がります。

基本はしっかりと頭に入れましょう。

筋力トレーニングの原則

健常な成人が筋力トレーニングを行う時は、以下の原則に従って行います。

 

①全身に適切な負荷刺激を与えるために、主要筋群を鍛える8~10種目の運動を行う

②漸進性、個別性の原則に従う

③それぞれの運動を1セット8~12回行う(体調不良の際は変更)

④1週間に2~3日トレーニングを行う

⑤息を止めず、動きに合わせて呼吸を行う

⑥関節に痛みを感じたら運動を中止する

 

④に関しては、筋肉に大きな負荷をかけるトレーニングに限った日数です。

軽めの負荷であれば、問題ありません。

目標負荷強度

自分が挙上できる回数によって負荷強度を評価する方法がよく用いられます。

単位は「RM(Repetition Maximum)」です。

1回だけ持ち上げられる最大重量が1RMであり、例えば10回持ち上げられる強度は10RMと表すことができます。

 

☆表1 筋力トレーニングにおける挙上負荷(1RMに対するパーセント)と挙上可能回数(RM値)との関係

トレーニング負荷強度(最大挙上重量の%) 挙上可能回数(RM)
100 1
90 4
80 8
70 12
60 20

 

☆表2 挙上可能回数(RM値)との関係

筋トレーニングの目的 負荷強度(RM)
筋力 1~8
筋肥大 8~12
筋持久力 12~20

 

☆表3 筋力トレーニングで用いられる抵抗の種類

抵抗の種類 特徴 欠点 注意事項
徒手抵抗 最も一般的。強さ、方向、速度が自由に変えられる。 負荷の把握が難しい。実施に技術が必要。 関節にかかる負荷を常に評価しながらトレーニングする
チューブ(バネ) 道具の携帯が用意。関節トレーニングに優れており、ゴム強度の種類も選びやすい。 負荷の把握が難しい。引けば引くほど張力が大きくなるので、とレーニングに適する場合とそうでない場面がある。 関節運動による肢節の可動方向とチューブが引かれる方向がほぼ直角になるように工夫する。
フリーウエイト 重量が分かりやすい。運動学習を行いやすい。 落下による事故の危険がある。RMで負荷を測ることになる。 正しい挙上方法を最初にマスターする。
マシントレーニング 任意に負荷設定ができる。怪我のリスクを減らした環境下で運動できる。 比較的高価な器具を用いるため、手軽さに欠ける。運動学習に向かない。 様々な種類の抵抗(ウエイトタック、油圧、電磁ブレーキなど)があるので、把握が必要。
水中運動 水の抵抗によって様々なトレーニングができる。関節疾患を持つ人へのトレーニングに向いている。 設備が必要。負荷設定が困難。 全身運動を含め、様々な場面で利用できる。

 

スポーツジムによっても、所有している設備は様々です。

筋力トレーニングを重視する場合は、ウエイト器具が揃ったジム、有酸素運動を組み合わせたトレーニングを重視する場合はプールのあるジムを選ぶなど、事前に調べてから通うことを考えましょう。

 

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まとめ

今回はトレーニングプログラムの組み立て方、基本についての解説を行っていきました。

目的意識の明確化、トレーニング原則の把握など、段階を踏んでいくことが質の高いワークアウトに繋がります。

様々な情報が出回っていますが、目先の情報に踊らされず、基礎は自分で身につけましょう!

習熟度、目標によってトレーニングプログラムは変わってくるので、詳しくはまた解説していきます。

 

 

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